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【#16】会社がなくなった時、あなたは何が残るか|孔子・季氏篇

会社に依存しており自立する力が不安だ

リーダーシップ戦略

【#16】会社がなくなった時、あなたは何が残るか|孔子・季氏篇


第1章|定年後の収入不安の正体

もし明日、 会社がなくなったら。

あなたには、何が残るでしょうか。

肩書きでしょうか。 名刺でしょうか。 それとも、 自分の力で収入を生み出す力でしょうか。

聞いてください。

今、あなたが感じている不安の正体は、 本当に「外の問題」でしょうか。

物価が上がった。 給料が上がらない。 中東問題の影響が出てきた。 会社の先行きが見えない。

そう言いながら、 ずっと同じ場所に立っていないでしょうか。

今日お伝えしたいのは、 一つだけです。

「敵は外にいない。」

孔子は2500年前に、 すでにそれを言っていました。

季氏篇という章の中に、 その言葉が静かに眠っています。

今日は、その言葉を手がかりに、 50代からの「自分の経営」を 一緒に考えてみましょう。


第2章|物流業界で見た内部崩壊

私は物流業界に入って、もう15年以上になります。

その前は、木材梱包の会社を自分で経営していました。 26歳で立ち上げて、2008年のリーマンショックで手放すことになった。

その後、しばらくの空白期間を経て、 物流の現場に入ったんです。

現場に入って、最初に感じたのは、 「この業界、ずっと同じことを言い続けているな」 ということでした。

「人手が足りない。」 「業界全体の問題だ。」 「外部環境が厳しい。」

でも私には、 長年の経営経験から見えることがありました。

人が集まらないのは、 労働に対して賃金が合っていないからです。

仕事はきつい。 でも、それに見合う給料がない。

紹介制度を作っても、 誰も動かない。

なぜか。

日頃の仕事を見ていて、 割が合わないとわかっているから、 誰も友人や知人を巻き込みたくないんです。

これは業界の外の問題ではなく、 完全に内側の問題です。

給料の設定。 人の育て方。 教育コストという「見えないコスト」への無理解。

会社が「外の問題」と呼んでいるものの、 ほとんどは中から生まれていました。

そして私は、 そこに気づきながらも、 しばらくは黙って見ていた。

でもある時から、 「自分自身はどうだ」と問い始めたんです。


第3章|孔子が語る「本当の問題」

孔子の「季氏篇」に、こんな場面があります。

権力を持つ者が、 さらに弱い国を攻めようとした。

弟子たちがそれを報告しに来た。

孔子はこう言いました。

「吾恐季孫之憂 不在顓臾 而在蕭牆之内也」 (われ おそらくは きそんの うれいは せんゆに あらず しょうしょうの うちに あらんと)

問題は外にない。 家の中にある。

そして続けてこう言います。

「均しからざるを憂う。 安からざるを憂う。」

人は貧しいことよりも、 不公平なことに苦しむ。

人は不足よりも、 将来への不安に苦しむ。

つまり——

外を攻める前に、 中の不公平を直せ。 中の不安を整えろ。

という意味です。

これは2500年前の政治の話ですが、 そのまま今の私たちに当てはまります。

「なぜ給料が上がらないのか」 「なぜ景気が回復しないのか」

外に原因を探し続ける前に、

「自分の中は、整っているか」

この問いを持てるかどうかが、 50代からの分岐点だと私は思っています。


第4章|景気より先に変えるべきもの

私自身も、かつて木材梱包の小さな会社を経営していました。

仕事が取れない時期がありました。

最初は「景気が悪い」「業界が縮小している」と思っていた。

でもあるとき気づいたんです。

「動けていなかったのは、自分だ。」

そこからすぐに営業に出ました。

飛び込み営業をかけてみた。 門前払いでした。

チラシを作って配った。 無反応でした。

散々でした。

でも、やめるわけにはいかない。 営業をしない限り、仕事は来ない。

ただ、たった一人でやっていた会社です。

仕事が取れるかどうかもわからない営業に、 時間とコストをかけ続けることには限界がありました。

そこで考えたんです。

「自分が動かなくても、 仕事が向こうからやってくる仕組みはないか。」

当時、インターネットがちょうど普及し始めた頃でした。

独学でホームページを作ってみることにしました。

お金はなかった。 知識もゼロに近かった。 それでも、試行錯誤しながら形にしていった。

するとある日、 思ってもいない方面からお問い合わせが来たんです。

想定していたターゲット以外のお客様でした。

それが入口になって、 事業を広げることができた。

あの時、「景気が悪い」と言い続けていたら、 その問い合わせは来なかったはずです。

外の条件は変わり続ける。 でも、仕組みをつくるかどうかは自分が決める。

それが、私が体で学んだことです。


第5章|フリーランスに必要な心技体

ここからが、今日の核心です。

少し前から、 私はこんなことを考えるようになりました。

個人事業主になるには、 資格が必要なのではないか——と。

もちろん、行政が発行するような資格ではありません。

もっと、別のものです。

心。 技。 体。

この三つです。

心が弱ければ、孤独に負けます。

独立すると、 誰も褒めてくれません。 誰も叱ってくれません。 誰も方向を示してくれません。

全部、自分です。

その孤独に耐えられるかどうか。 これが「心」の問題です。

技がなければ、価値を提供できません。

「長年の経験がある」だけでは、 個人では通用しない場面がたくさんあります。

会社という看板があったから、 お客様が来ていたのかもしれない。

その看板が消えた時、 自分には何が残るのか。

これが「技」の問題です。

体が弱ければ、継続できません。

個人事業は、休んだ分だけ収入が止まります。

健康は、最大の資本です。

これが「体」の問題です。

会社員の頃は、 組織が足りない部分を補ってくれます。

心が折れかけた時、 上司や同僚がいる。

技が足りない時、 チームで補える。

体が壊れた時、 有給休暇がある。

でも個人になると、 全部、自分です。

だから孔子が言う 「問題は外ではなく内側にある」 という言葉が、 これほど重く響くのかもしれません。

外を変えようとする前に、 自分の心技体を整えているか。

それが問われています。

そしてもう一つ。

季氏篇を読んでいて、 私が何度も現場で思い出した言葉があります。

人は貧しいことよりも、 別のことで心を失っていく。

それが次の話です。


第6章|人が辞める本当の理由

孔子はこんなことも言っています。

「人は貧しいことよりも、 不公平さに不満を持つ。」

物流の現場で、 何度もこの言葉の意味を実感しました。

仕事ができない人のカバーに入って、 疲弊しているのに、 査定は低い。

ボーナスも低い。

一方で、仕事の質が低い人が、 なぜか評価を受けている。

これはただの不満ではありません。

「自分の努力が、正しく見られていない」 という、深い傷です。

この感覚が積み重なった時、 人は会社を辞めていきます。

給料の額ではなく、 不公平感が、人を動かすんです。

では、独立したらどうか。

不公平感は一度、リセットされます。

でも今度は、自分自身に問われます。

昨日の自分より、成長しているか。 向上心を持ち続けているか。

個人事業は、 会社員のように組織が動いてくれません。

自ら動かない限り、 明るい光は見えない。

向上心があるかないか。 その差だけが、数年後の景色を変えていきます。


第7章|信用が収入を生む時代

孔子はこう言います。

「秩序がある時代は、 責任の所在が明確だ。」

今の日本を見ると、 フリーターや派遣が増え、 「誰が責任を持つのか」が曖昧になってきました。

人件費をコスト削減の対象にしてきた。

でも本来、人への投資は「経費」ではなく「資産」のはずです。

そこに気づかず、 人材を使い捨てにし続けてきた結果が、 今の人手不足であり、組織の弱体化です。

問題は、外にあったわけではありません。 中の判断が、生み出してきたものです。

そして、これは個人にも言えます。

フリーランスとして生きるなら、 最終的に何に責任を持つべきか。

自分の行動と、言葉。 それだけです。

言ったことをやる。 やったことを言葉にする。

その積み重ねが、 信用という最大の資産になっていきます。


第8章|10年後に残る資産

最後に、少し先の未来を見てみましょう。

10年後。

会社がなくなったとしても。 肩書きが消えたとしても。 定年を迎えたとしても。

収入を生み出す力が残っている。 信用が残っている。 言葉が残っている。 学び続ける習慣が残っている。

それは、年金よりも強い資産です。

孔子は2500年前、 定年後の収入源について語っていたわけではありません。

でも結果として、 「外ではなく内を整えよ」という教えは、 そのまま今の私たちへの言葉になっています。

心技体を整えた人は、 会社がなくなっても、消えません。

私自身、今まさにその途中にいます。

リーマンショックで会社を手放して、 18ヶ月の空白があって、 物流の現場で長い時間を過ごしてきた。

それをずっと、外の問題のせいにしていた時期がありました。

でも発信を始めてから気づいたことがあります。

書くことは、自分の内側を見ることだ——と。

言葉を積み上げることは、 信用を積み上げることだ——と。

外の条件が変わっても、 自分の言葉は残る。

その積み重ねが、 10年後の自分を支えてくれると、 今は信じています。


第9章|今日から始める自立準備

今日の話を聞いて、 一つだけやってみてほしいことがあります。

紙でも、スマホのメモでも構いません。

自分の「心技体」を書き出してみてください。

心は、今どんな状態か。 技は、今何を持っているか。 体は、今どう整えているか。

「できていない」でいい。

それが見えた瞬間、 あなたはもう外ではなく、 内側を見始めています。

それが、季氏篇の教えの入口です。


景気は、変えられません。 政治も、変えられません。 人口減少も、止められません。

でも、 自分の心技体は整えられます。 自分の言葉は積み上げられます。 自分の信用は育てられます。

孔子の季氏篇は、 2500年前から、 そのことを教えていたのかもしれません。

問題は外にはない。 まず整えるべきは、自分自身。

50代の逆襲は、 そこから始まります。

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